STARMANN

眩しくて 手を振れば 遠く輝いて瞬く星座

推し&ハニー in 演劇アベンジャーズ〜『迷子の時間 -語る室2020-』

インスタに収まりきらないからブログにしたよシリーズ、予想外の第三弾。

インスタ用だからそんなに気合い入れてなくて結構箇条書きです。

これから大阪公演で初見だよっていう人は、念の為見ないでね!




推しの広大くんとマイスイートハニーかめたんの夢の共演!発表されたときは全然信じられなかったし、前川さん演出の舞台もイキウメも観たことなかったから恐る恐る観に行ったけど、期待以上の面白さで2回おかわりした。広大もそうだけど、かめたんがこんなに面白い演劇に出てくれたのが嬉しいな。

全体的な所感

日常の途中にぽっかり空いた穴のように存在する非日常、常識を超えたこと。ある奇怪な現象から物語が回っていくけれど、現象そのものではなく、それを経て今を生きる人間の生き様にフォーカスしているから、SFファンタジーではなくリアルな群像劇っていう印象。


ある日を境に人生が変わった人たちが、変わった先の人生をしっかり歩んでいく。会話の中で真実が明らかになっていくけど、全ての真相を知っているのは観客だけで結局一本には繋がらず、各々が別の日常を歩んでいく。この作り込まれた感じがとっても好きなストーリーだった!伏線回収して単純に\大団円/になるより、リアルで逞しいお話だった。




問題の虹の輪のシーンすごかった…スモークで丸い光線を可視化していて、銀河鉄道の石炭袋のシーンみたいに虚空に虹の輪が現れていて、幻想的だった。霧が出てくるシーンもスモークと照明でリアルに再現されていて、演出された舞台を見ているというより、本当にその場所に立って、ガルシアと一緒にその現象を目の当たりにしているかのようなリアルな光景だった。


ガルシアが未来人っていう設定は、前情報として公開しないほうがよかったんじゃないかな〜…木更津で言う「裏」の回があるのに、設定を知ってるから、「表」のシーンで「まぁそういう反応になりますよね」ってなっちゃう。じゃあ初日前のメディア露出でどう役どころを説明するのかと言われたらぐうの音も出ないけど笑


会話に関与しない人でも誰かしらずっと舞台上に居るのが気になってたんだけど、最後の譲の台詞でわかった。


あれは未来からの視点。譲たちが過去の出来事を思い出すように、未来の譲たちもいつかこの日を思い出す。それを思い出される側の視点で見たのが、舞台上にいる傍観者たちであり、譲が見る幽霊の正体なんだと思う。


事件から5年経ち、過去を思い出す譲たちの視線も、だんだんと遠のいていくのだろう。悲しい出来事を忘れることはなくても、常に悲しみを背負って生きていくのではなく、ごはんが美味しかったとか面白い人に出会ったとか、ささやかな幸せで笑顔になれる日があってもいいし、それに罪悪感を覚えたとしても悪いことじゃない。それぞれが置かれた状況の中で前に進んでいく。それが人間の強さなんだと思った。

亀梨和也ナチュラルなお芝居

一言目を話しはじめた瞬間から「いつもの亀梨和也」じゃなくて、こんな\薄井ペラ男/みたいな普通〜の人な和也初めて見た()いろいろ抱えてはいるけど常にそれを背負って生活してるんじゃなく、二階堂譲という人間のニュートラルが薄井ペラ男で、かめたんがそういう他人のニュートラルを演じている感じが新鮮だった。


開始数分間の会話部分、みんな本当にナチュラルに「喋ってる」な〜と思った。とってつけたような演技の痒さが全く無い。古屋さんや忍成くんと、この次元でナチュラルにお芝居できるかめたんすごォ…ちょっとごめんびっくりした…


姉ちゃんと譲の会話もめちゃくちゃナチュラル。姉ちゃんと話すときがいちばん譲の反応が自然な気がする。会話以外でも反応が素直で、叩かれるのも毎回ガチだから、姉ちゃんが手上げただけで譲の肩がビクッてしてて、とってつけた芝居じゃなく人間のガチ反射運動が板の上で起きてることへの興奮がやばかった。かめたんのこんないい芝居を引き出してくれるカンジー姉ちゃんありがとう…

錚々たる演劇アベンジャーズ

カンジーさんは序盤ずっといっちまってるけど、いっちまってる間もずっと目に涙を浮かべてるから「うわ何この人やば…」と普通にドン引きできない痛々しさがすごい。ゴリゴリの憑依型だな〜と、生で見て改めて思った。




浅利くんのあの空気感は本当にズルい笑 浅利くんって広くんと同い年でしょ?その若さであの熟練のバイプレイヤーみたいな独特の空気持ってるのは強すぎる。ドラマとかでもそうだけど、初めて舞台で見たらより一層そう思った。




それから古屋さん!素晴らしかった!!


信者を作るタイプの予備校の先生みたいで()「本当かよ」と思うんだけど、彼の中での理論がしっかりしていて、彼自身がその理論を信じているから、妙に説得力があって引き込まれる語り口。


客席に話しかけるようなセリフもとってつけたようないやらしさがなく、会話もとってもナチュラルで、すごく好きなお芝居をされる方だと思った。こんな人と推しが共演してくれてありがたすぎる。


松岡広大 in 演劇アベンジャーズ

そして、演劇アベンジャーズの中で自分の武器見せつけてた自慢の推し~!


大真面目な顔でボソッと面白いこと言う広大くんの面白さは折り紙付きなので、今回みたいに、何か爆発的にウケるギャグを飛ばすわけではなく、文脈的にぶっ飛んだこと言ってクスクス笑わせるお芝居合うな~と思った。毎回ウケてて嬉しい。




身体が利くことでストプレでも身体表現が通用していて、武器を活かしてもらえてありがたい。普段からダンスで表現し慣れた身体の使い方と、人並外れた目力と目の表現力で、本当に目の前に幻想的な光景が広がっているかのような驚嘆を表していて、これは彼にしかできない仕事だと思った。


異世界に独りぼっちで誰にも信じてもらえない、誰も信じられない状況で5年間を過ごしてやさぐれた目をしていたのに、佐久間に「私があなたの存在を証明する。もう幽霊じゃない」と言ってもらえた瞬間、暗い目に光が戻って、まさに幽霊が実態を取り戻したように見えた。飼い主に捨てられて人間を信じなくなった子犬が、久しぶりに人間の愛情に触れたかのうような融解。




My初日カテコの広大は、一人一人にお礼を言うみたいに視線を向けて嬉しそうにしていて、また舞台に立ってお客さんの前で芝居をする姿が見られた喜びとか、今年いろいろあったこととか、いろんな思いがこみ上げてしまって泣きそうになった。悲しいことがいっぱいあったけど、あの姿を見られたからもういいや。


稽古中毎日楽しそうにしてるから、逆に「この推しのテンションに私が付いて行けなかったらどうしよう」ともちょっと思ってたんだけど、実際に観ると、テンションが上がるのがよくわかるほど面白い演劇で、推しが楽しめる作品と自分の好きな作品にギャップが無かったことが嬉しいし、安心もした。そこにズレが無いから応援しがいがあるし、「彼が出るならきっと面白い」と信じてお金を出せる。




夢にも思わなかった広大と和也の共演、今年は会えないと思ってたかめたんに会えて、(和也亀梨の投げチューまで頂き)作品も面白くて自分なりに消化するまで観られたし、大満足!イキウメの他の作品も気になる!




あぁ〜広大くん〜今年も君を好きでいられて良かったよ〜スリミも楽しみだよ〜