2015年夏、わたしはある天使に恋をしました。
天使の名前は、中山優馬です。
同年5月、縁あって優馬くんのソロツアーに連れて行っていただいたわたしは、「やらくんが事務所やめたら優馬くんに降りる」と心に決めた。
やらくんが作った世界の中にいるからっていうフィルターも少なからずあるかもしれないけど、しぇんぱいに育てられてそれを消化して自分のものにし、ソロ・センターという立ち位置に見あった実力を兼ね備え、天使でありつづける中山優馬のポテンシャルやばいと思った。
— てぃーみき (@tea__miKi) 2015, 5月 2
そんな天使のゆまたんが、歌い出すと男・中山優馬で、 「僕には自身がある。君のこと幸せにしてみせる」なんて歌うんですよ。あ、優馬担って絶対幸せにしてもらえるんだろうな、って確信した。わたし万が一いつかなにかあったら()、ワンチャン優馬担あるわ。むしろ未来の担当第一候補だわ。
— てぃーみき (@tea__miKi) 2015, 5月 2
語弊を恐れずに言うと、踊れすぎないくらいがセンターに立つスター性と華があると思う。 でも、中山優馬という人は、天性のスター性と華、圧倒的天使性を持ち、そしてダンスをひとつの武器としてデビューし活躍してる。踊れる人好きとしては、中山優馬という存在がある種の希望なわけですよ。
— てぃーみき (@tea__miKi) 2015, 5月 10
それまで優馬くんを「自担の可愛い教え子」くらいにしか思わず、中山優馬自身を見ていなかったことを心から恥じた。
あれから4か月、ステージに立つ優馬くんをソロコン以来初めて観に行き、そしてまんまと恋に落とされて帰ってきたのだった。
第一幕。
オープニングでいきなり優馬くんによる生演奏を聴いたこと以外は、正直、「ああ、こんなもんか」くらいの印象。優馬くんの美しさは既に全宇宙が認めている。「天使で美しい優馬くんが、美しい天使を演じている」というのが第一印象だった。
「この楽譜を貸してくれないか?練習してみたくなったんだ!」
「僕はロミオを嫉妬に狂わせたい!」
あー!すげー可愛い!嫌みなく可愛い!天使だ!
無邪気な笑顔を浮かべる優馬くんから放たれる、無邪気な台詞。
ヒロインのシビルに向かって優しく微笑みながら弾き語りで歌うドリアンにうっとりさせられたと思ったら、
時には、徳山さん演じるヘンリー郷*1との、危険な香りのする絡み。
ああ!優馬くんが大人のお城に連れて行かれる!逃げて優馬くん!毒牙一発!
そんなわたしの危惧も虚しく、ヘンリー郷の口車に乗せられて狂っていくドリアン。
「耐えられない・・・僕が失っていくものを、どうしてこの絵はいつまでも持ってるんだ?」
「これが逆だったらいいのに・・・いつまでも若さを保つのが僕で、老いていくのがこの絵だったら・・・そうなるんだったら、この世のどんなものでも惜しくない・・・魂だって差し出していい・・・!」
・・ん?優馬・・くん・・・?
最初にビビッと来たのはこの台詞。
「下手なんてもんじゃない!酷かった!」
以下、美しい天使のドリアンから浴びせられ続ける、シビルを罵倒する言葉たち。
「君は、僕の愛を殺してしまった」
「芝居?それは君に任せるよ・・・たいそうお上手なようだからねぇ!」
「触らないでくれ!!」
優馬くん、目が死んでる・・・かっこいい・・・!
先ほどまでうっとりと恋人を見つめていた目とは打って変わって、氷のように冷たい目でシビルを見下ろすドリアン。
今思えば、わたしはもうこの辺でだいぶ心もってかれていた。
怒り心頭で女捨てる優馬くん最高だな・・・
その後、ステージに飾られたドリアンの大きな肖像に変化が現れはじめるのだが、絵がまじで怖い。最初は薄ら笑いを浮かべる程度で、いやらしく微笑んでいても優馬くんの肖像だから美しいわくらいに思えていたのだが、後半に行くにつれて肌は荒れ*2、終盤ごろには口元がほぼ白骨化していく。
怖すぎ・・・これ絶対夢に出る・・・*3
醜くゆがんだ自分の肖像の前で葛藤するドリアン。天使のドリアンと、目覚めつつある悪魔のドリアンの葛藤ともいえる。
「自分に害は及ばない・・・!」
悪魔が勝ってしまった・・・
悪魔に魂を売り渡し、悪い微笑をたたえながら狂ったようにハープシコードの鍵盤をたたくドリアン。その背後で、血を吐いたように口元を赤く染める肖像・・・
幕間。
どうやらわたしはどえらいもんを観に来てしまったようだ・・・
気づいても時すでに遅し。本当にすごいのは二幕だった。
一幕と同様に美しいままだが、まとう雰囲気が明らかに違う。
シビルの言葉を借りれば「周りがパッと輝いて見える」ようだったドリアンが、冷たい目とものものしい空気をまとっている。一幕から18年経っているようだが、ドリアンの姿は全く変わっていない。しかし、まとう空気、立ち居振る舞い、話し方、すべてがまるで別人のようで、ドリアンの18年の経験を物語っている。一幕の「天使を演じる天使」の印象とはがらりと変わり、完全にドリアンが憑依している。
時折不敵に微笑み、冷たい表情で親友を殺害・・・
誰ですか、この人は・・・
そして、主お気に入りのシーン。アヘン窟。
舞台にだらしなく横たわる人々、立ち込める煙。すぐにアヘン窟だと察する。そこに、人目を避けるようにフードを目深にかぶって現れるドリアン。
ま、まさか、優馬くんが・・・そんな・・・
先客からパイプを受け取り、口に含み、薄く開いた口から煙を吐き、快楽の表情を浮かべるドリアン。
いやあああああああ!!堕落の極みに手を染める優馬くんんんんんんんんんんん!!巻かれたい!口から吐かれる煙に巻かれたい!!
もうこれだけで息絶え絶えのわたしですが、このシーンのドリアンの美しさが異常。
薄暗い照明とアヘン窟のほの暗いライトに照らされたドリアンの顔は、アヘンに蝕まれ病的にもうつるが、目深に被ったフードから覗く横顔は、観ているこちらが背徳感を覚えるほどに美しい。見ちゃいけないものを見てる感。
殺人の片棒を担がせた相手に、妖艶な笑みを浮かべながら囁く。
「君は、一人の男の人生を救ってくれた・・・」
わっるいわ~この人!
でもこんなに美しく妖艶にそそのかされたら、いくらでも人生踏み外してしまうわ・・・優馬くん本人は天使でよかった(そこ)
ここで唯一、われらがヒロキと対峙するわけだが。
ヒロキ、ただの踊れるコメディアンだと思っててごめんなさい。
ヒロキのまともな芝居を観るのは初めてだったが、期待通りの実力どころの騒ぎではなかった。文学的な言い回しもとってつけた風にはならず、台詞ではなく言葉がすらすら出てくる安定感。いや、言葉が出てくるなんてもんじゃない。
「どんな手を使ってでも素性を暴いて、居所を突き止め、虫けらのように殺してやる・・・」
「そして教えてやるのさ。お前の愛が失せた時、お前の命も失せていたんだと・・・!」
「懺悔を聞いてやる」
そこにいるのは仲田拡輝ではなく、まぎれもなくジェームズ・ヴェイン。
18年間復讐のために生きてきて、髪と髭は伸び放題。挙げ句にこんなアヘン窟にたどり着いてしまったジム。しかしその首もとには、最愛の姉シビルが贈ったシロツメクサの首飾りが揺れている。きっと、18年間何度も握りしめては復讐心を奮い立たせてきたのだろう、枯れてすっかり変色している。
ドリアンの口車でまんまと騙されたジム。
「なんということだ・・・あなたを・・殺してしまうところだった!」
「その人に手を出すな!」
そして、絶望の中で死んでゆく。
そして、もうひとつ。「約束」。
わたしには、あの首飾りが、ジムの誠実さを象徴しているように見えた。
そんなジムを、俳優・仲田拡輝もまた、誠実に演じきっていた。
アヘン窟での事件後、罪の意識に苛まれ、再出発をはかろうとするドリアン。正直この辺のドリアンの心理はいまいち解釈しきれていない。原作読みたい・・・
また天使と悪魔の葛藤が始まる。
「田舎に住むよ」
「証拠は何一つ残っていないんだ。罪には問われない」
「どうしてこんなものを手元に置いていたんだ!」
「過去を、殺そう。そうすれば、俺は・・・自由だ・・・」
最後の、鬼気迫る怒涛の一人芝居。
優馬くん、どこ行くの・・・
ラストシーン。すべてを見つめてきた肖像画に光が当たる。爽やかな照明とBGMと、美しさは取り戻したが、また違った意味で不気味に見える肖像画の対比が印象的だった。
えらいもん観た・・・
カーテンコール。
ヒロキのいつもの人懐っこい笑顔に感涙、
いつもの天使の笑顔で大きく手を振る優馬くんに安堵。
よかったヒロキ生きてた(T_T)よかった優馬くんいつも通り天使だ(T_T)と安心するのはわたしだけではないはず(笑)
放心状態で劇場を後にしたわたしのツイート。
やらくんが辞めるか死んだら優馬担になる
— てぃーみき (@tea__miKi) 2015, 9月 1
より意志が固まったようす。
ようやくひねりだした140字がこちら。
天使から悪魔への堕落を演じきる優馬くんの振り幅の広さに圧倒された…序盤のスーパーピュアボーイドリアンの天使の笑顔と、堕落していってもなお美しいドリアンの悪魔の微笑み。大天使・中山=ミカエル=優馬にしか出来ない役でしょう。そして悪魔に化けることを覚えた優馬くんに可能性しか感じない。
— てぃーみき (@tea__miKi) 2015, 9月 1
そう、悪魔をも演じることができる天使。それが中山優馬。
生まれ持った天性の華、あの儚げフェイスに隠されたポテンシャル、唯一無二のジャニーズ人生、色あせることのない天使力、そして、座長という立ち位置にふさわしいパフォーマンスと、その裏付けとなる並々ならぬ影の努力と根性*4。
ダメだ・・・好きだ・・・
こうして、わたしは、中山優馬という天使に恋をしたのでした*5。
この作品、カンパニーに優馬くんが出会えたこと、ジェームズ・ヴェインにヒロキが出会えたこと、すべてに感謝したい。奇跡のような作品だった。